超富裕層
超富裕層では、資産の保全を考えると、海外移住しファミリーオフィスに資産管理させ、国際分散投資をすることを組み合わせる手法になりますが、自分のライフデザインをどこにおくのかの検討が必要となります。
超富裕層の収入と資産の特徴
超富裕層の特徴は、代々の資産家、上場企業の創業家など。東京、名古屋、大阪の三大都市圏に主に居住していますが東京で増加しています。
純金融資産保有額は5億円以上、9.0万世帯(0.17%)、総保有額105兆円(6.4%)になります。
超富裕層の世帯所得は 2,000万円超が該当します。また、資産は創業会社株式の割合が多いのが特徴です。
海外移住

国外転出時課税制度
国外転出(国内に住所及び居所を有しないこととなります。)をする一定の居住者が 1億円以上の対象資産を所有等している場合には、その対象資産の含み益に所得税及び復興特別所得税が課税されます。
原則として国外転出の日前 10年以内において、国内在住期間が 5年を超えている居住者が対象となります。
この対象資産とは、1億円以上の有価証券等、未決済信用取引等及び未決済デリバティブ取引のことです。所有等とは、所有または契約の締結のことをいいます。
含み益とは、対象資産の国外転出時の価額又は国外転出の予定日の 3か月前の価額で対象資産の譲渡等があったものとみなした利益に課税されるからです。
次の3つのパターンに分けて所得税の確定申告等の手続きが必要となります。なお、一定の要件の下、減額措置等を受けることができます。減額措置等は国外転出までに納税管理人の届出書を所轄税務署に提出するなどの手続きが必要となります。
対象者が国外転出をする時
対象者本人が国外に居住することになりますので、本人が所得税の確定申告をしなければなりません。
対象者が国外に居住する親族等(非居住者)へ対象資産の一部又は全部を贈与する時
贈与を受けた親族等が所得税の確定申告をしなければなりません。
対象者がなくなり、相続又は遺贈により国外に居住する相続人又は受遺者が対象資産の一部又は全部を取得する時
相続人または包括受遺者が所得税の確定申告をしなければなりません。
詳しくは、「国外転出時課税制度(FAQ)」国税庁サイト
老齢年金受給
リタイアして海外移住し外国籍を取得しても、日本で老齢年金の受給要件を満たしていた場合、年金を受給することができます。
移住国が社会保障の協定相手国の場合には、受給申請は相手国の実施機関に提出することができます。また、海外赴任などで海外勤務されていた方には、保険料の二重加入を防止して協定相手国と日本の年金加入期間を相互に通算し、日本や相手国の年金を受給することが可能です。
社会保障協定相手国(23国、2024年4月現在)
ドイツ、英国、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、ハンガリー、インド、ルクセンブルグ、フィリピン、スロバキア、中国、フィンランド、スウェーデン
なお、英国、韓国、中国、イタリアとの協定については、「保険料の二重負担防止」のみとなっています。
年金受給にかかる所得税等の課税については、各国との租税条約によります。例えば、オーストラリアに移住した場合、一般の国民年金・厚生年金の課税はオーストラリアのみします。日本では非課税です。
タックスヘイブン (Tax Haven)

タックスヘイブンとは、租税回避地のことをいいます。所得税、法人税等の税金がない国、あるいは税率が低い(又は優遇措置のある)国や地域のことをいいます。
有名なのは、イギリス領ケイマン諸島、バージン諸島、シンガポール、香港、マカオ、モナコ、パナマ、スイスなどです。また、オランダ、ルクセンブルグ、アメリカデラウェア州なども富裕層を優遇しています。
タックスヘイブン対策税制(日本)
タックスヘイブン対策税制は、軽課税の国又は地域であるタックスヘイブンを利用しての国際的租税回避を阻止する税制のことです。例えば、タックスヘイブンであるシンガポールに外国子会社を設立する場合、日本国内の親会社に適用される可能性があります。特にペーパーカンパニーであったり、日本と課税状況の情報共有ができない国に設立した場合には会社単位の合算課税がなされます。
参考サイト
「タックスヘイブン対策税制:日本」JETORO(日本貿易振興機構)
租税条約
租税条約は、二国間で相互情報の提供により課税関係の安定(法的安定性の確保)、二重課税の除去、脱税及び租税回避等への対応をし、健全な投資・経済交流の促進に資するために結ばれる条約です。
我が国の租税条約締結状況は、86条約等、155国・地域に適用されています。(2024年7月1日現在)

(出典:「我が国の租税条約ネットワーク」財務省サイト)
ファミリーオフィス

ファミリーオフィスは富裕層・超富裕層一族の資産管理会社として設立されています。一族の資産は経営する事業とは分離して管理し投資等の運用をすることと、一族会議やその絆を深めるための活動もするのです。親子間、兄弟間で他人どうしよりも厳しい対立をし、事業を分断するような危険を避けることも重要なのです。
ただし、日本では非上場企業の創業家が独自で資産管理会社としてファミリーオフィスを設立した場合には、原則中小企業経営承継円滑化法による相続税と贈与税の納税猶予・免除の特例が利用できなくなりますので注意が必要です。
そのため、都市銀行等金融機関のプライベートバンク部門が提供するファミリーオフィスサービスや、会計事務所・税理士事務所等が設立する独立系ファミリーオフィスを利用することが普及していくでしょう。
国際分散投資
日本国内の株式や債券だけに投資するのではなく、海外にも分散して投資し、リスクを低減することを目的とします。株価指数に連動した運用での成果を目指す、例えばアメリカのダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)に連動して米国株式に投資するインデックスファンドに積立投資をすることは地理的にも時間的にも分散投資になります。
富裕層の国際分散投資の主流は資産防衛です。ローリスク・ローリターンでポートフォリオを組み、購入時期もできるだけ分散することでさらにリスクを低減させます。
また海外不動産投資については海外移住し良く知った地ですることがリスクが少なくて良いです。国際分散投資は将来の相続も見据えてしていきましょう。


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