法人の債務整理(1)

2024年8月25日

 法人の債務整理において、経営者が法人に連帯保証している場合は法人と個人同時に債務整理の手続きを進めることが多いですので、法的手続きは弁護士、税務処理は税理士に相談の上で進めて参りましょう。

 事業をぎりぎりまで諦めないで続けることは大事です。ただ、法的な手続きをするのにも費用がかかります。全く資金が底を尽いてからでは法的手続きもできない事態になります。専門家に早めの相談をして、第三者の冷静な意見をお聞きになることも参考になるのではないでしょうか。

 このページをご覧いただいております皆様の債務整理がうまく進み、早く再起を遂げていただきたいと願っております。

私的整理

私的整理

 債務者である法人の経営陣が個別に債権者である金融機関と返済金額、返済回数、返済期間等の交渉をし、元本や金利の一部免除を受ける(カット)や返済方法をスケジュールし直す(リスケジュール)ことを先ず検討しましょう。
 これは、債権者が公的金融機関や銀行、クレジットカード会社の場合、交渉に応じてもらえる可能性が高いです。整理を公けにしないですることができるため、企業のイメージや信用力の低下を防ぐことができます。
 しかし、債権者数が多数であったり、消費者金融、無登録業者が債権者に含まれている場合は弁護士あるいは司法書士に民事再生等を依頼するべきでしょう。

特定調停

特定調停

 支払不能に陥るおそれのある債務者等の経済的再生に資するため、民事調停法の特例として特定調停の手続を定めることにより、このような債務者が負っている金銭債務に係る利害関係の調整を促進することを目的とします。根拠法は、特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律及び民事調停法です。

申立者

 金銭債務を負っている者(個人又は法人)であって、

 1.支払い不能に陥るおそれのある者

 2.事業の継続に支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することが困難である者

 3.債務消化に陥るおそれのある法人

が特定調停の申立てをすることができます。現在支払不能や債務超過でなくとも、そのおそれがあるだけで申立てが可能です。

調停申立内容

・申立人に対して金銭債権を有する者その他の利害関係人との間における金銭債務の内容の変更

・担保関係の変更

・その他の金銭債務に係る利害関係の調整

管轄の簡易裁判所

 相手方(債権者)の住所、居所、営業所又は事務所の所在地の区域を受け持つ簡易裁判所に特定調停の申立てを行います。複数の相手方の所在地の区域を受け持つ簡易裁判所が異なる場合、一つの簡易裁判所が全ての事件を関連事件として扱うこともあります。

特定調停の特徴

・債務者が個人でも法人でも特定調停を申立てることができます。また、債務が支払い不能のなるおそれだけでも可能です。

・調停申立てがされた裁判所は、特定調停を行う調停委員会を組織する民事調停委員として、事案の性質に応じて必要な法律、税務、金融、企業の財務、資産の評価等に関する専門的な知識経験を有する者を指定することができます。

・裁判所は特定調停の目的となった権利に関する民事執行の手続の停止を命ずることができます。

・調停委員会は、特定調停のために特に必要があると認めるときは、当事者又は参加人に対し、事件に関係のある文書又は物件の提出を求めることができます。正当な理由なく提出しない場合には、裁判所は10万円以下の過料に処することができます。

・調停において当事者間に合意が成立し、これを調書に記載したときは、調停が成立したものとし、その記載は、裁判上の和解と同一の効力を有します。