金利の変動要因

2025年4月25日

株価暴落であせる

金利への影響

 金利の変動要因である、景気、物価、株価、債券価格、為替相場、金融政策、海外金利の変動が金利にどのような影響を与えるのかを説明します。

景気動向

 金利は景気の動向と連動するように動くので、「景気動向指数」や「日銀短観」で景気の動きを予測できます。

 国内景気が悪化すれば金利は下がり、国内景気が回復すれば金利は上がります。

物価

 金利は物価とも連動します。物価は「企業物価指数」と「消費者物価指数」で動きを予測できます。

 国内物価が下落すれば金利も下がり、国内物価が上昇すれば金利も上がります。

為替相場

 為替相場が円安になれば金利も下がり、為替相場が円高になれば金利も上がります。

金融政策

 日本銀行が金融政策を緩和すれば金利は下がり、金融政策を引締めすれば金利は上がります。

株価

 株価は景気の動きによる企業業績と金利に影響を受けますので、基本的に景気と金利に連動すると考えられます。

債券価格

 債券価格は金利と反対の動きをします。債券の金利が市場金利を上回っていれば、債券の購入が増えて債券価格が上がるからです。

金利変動関係表

金利変動関係表

日本銀行の金融政策引締めの影響

日本銀行とは

 日本銀行は、我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うことを目的としています。

 日本銀行は、それ以外に銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資することも目的としています。

 日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とします。

 日本銀行はわが国唯一の中央銀行であり、日本銀行法によりそのあり方が定められている認可法人で、政府機関や株式会社ではありません。日本銀行の自主性は配慮されています。

 しかし、日本銀行は、その行う通貨及び金融の調節が経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、それが政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならないとされています。

参照:「日本銀行法」第一条~第六条(改正令和4年6月17日施行)

参照:「日本銀行」サイト(令和6年8月3日参照)

日本銀行の金融政策

 金融緩和政策(2013年1月~2024年4月)

 日本銀行は、第2次安倍内閣の時の2013年1月に、「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、これをできるだけ早期に実現するという約束をしています。これは内閣のアベノミクスとともに進められました。

金融緩和政策(2024年4月26日~) 

 日本銀行は、令和6年4月26日の政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定しました(全員一致)。

 「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す。」

 無担保コールレート(オーバーナイト物)とは、銀行、信託銀行、証券会社、保険会社等が日々の短期的な資金の過不足を解消するために超短期で資金取引をするコール市場において、無担保での資金貸借のうち約定日に資金の受払を行い、翌営業日を返済期日とするものにかかる金利のことです。

 さらに、令和6年7月の金融政策決定会合において、追加利上げの方針が発表されました。

 「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.25%程度に引き上げる。」

日本銀行の金融政策の目標と現実

 上記「金利変動関係表」によると、国内物価が上がれば国内景気は回復し、金利と株価が上昇し、債券価格は下がることになります。

・国内物価の上昇と国内景気の回復が見込めたので、日本銀行は0金利政策から転換の方針をとりました。しかし、それにはウクライナ情勢と円安が続いたことが影響を与えていたことは否めません。

・日本銀行は短期金利である無担保コールレート(オーバーナイト物)を0%から0.1%へ、さらに0.25%程度まで引き上げることで市中金利の上昇を促し、それにより株価上昇を目指します。

・また、財務省は令和6年6月27日~7月29日まで為替介入(外国為替平衡操作)を5兆5千348億円実施して円安の流れを止めようとしました。

・株価と為替相場は連動しますから、円高が進めば株価上昇の拍車になると予想されました。

・ところが令和6年8月2日現在、東京株式市場の株価は全面安となり、日経平均株価終値は前日より2,216円下げて35,909円となっています。これは1987年のブラックマンデー以来の下落と言われています。アメリカの景気先行きも影響を与えていると見られています。

・株価が下がると、逆に債券価格は上昇します。金利が上がって株価も上昇し、債券価格が下がるなら、日本銀行は長期国債の購入を減額する予定でしたが、この減額も不透明になってきました。

参照:「2024年7月金融政策決定会合での決定内容」日本銀行サイト