法人の債務整理(4)

株式譲渡
株式会社は、株式の公開会社と非公開会社に分類することができます。
公開会社
発行株式の全部について譲渡制限を設けていないか、一部について設けている会社。
非公開会社
発行株式の全部について譲渡制限を設けている会社。
譲渡制限株式の株主は、その有する譲渡制限株式を他人に譲渡する場合、株式会社に譲渡の承認を請求することができます。また、譲渡制限株式を取得した株式取得者も、株式会社に対して譲渡の承認を請求することができます。(会社法第136,137条)
株式会社はこの譲渡の承認を株主総会の普通決議(過半数)で決定します。もし、承認をしない決定をした場合には、株式会社は対象となる譲渡制限株式を自ら買い取るか買取人を指定しなければなりません。この買取り等も株主総会の普通決議で決定されます。(同法第140条)
非公開会社(非上場会社の場合が多い)のオーナー経営者の場合、全株式を譲渡することにより、非公開株式という流動性の低い資産を売却代金という流動性の高い純金融資産にすることが可能です。M&Aで事業を全て譲渡して、老後の資金を手に入れるわけです。
会社の経営権を取得するには発行済株式総数の51%以上の取得で良いのですが、会社の重要事項などは株主総会で特別決議(3分の2以上)が必要ですから、買収側の企業にとっては発行済株式総数の3分の1超の取得をすれば否決できます。しかし、できれば100%の取得を目指すべきでしょう。
事業譲渡
事業の全部を譲渡する場合と重要な一部の事業部門を譲渡する場合がありますが、どちらも株主総会の特別決議(3分の2以上)が必要です。
民事再生手続開始後においては、株式会社である再生債務者がその財産をもって債務を完済することができないときは、裁判所は再生債務者等の申立てにより、事業等の譲渡について株主総会の決議による承認に代わる許可を与えることができます。ただし、当該事業等の譲渡が事業の継続のために必要である場合に限ります。(民事再生法第43条)
会社更生手続開始後再生計画案を決議に付する旨の決定がされるまでの間においては、管財人は裁判所の許可を得て、更生会社に係る事業等の譲渡をすることができます。この場合において、裁判者は当該事業等の譲渡が当該再生会社の事業の更生のために必要であると認める場合に限り、許可をすることができます。(会社更生法第46条第2項)
会社分割
事業の一部の事業部門又は全部を新会社を設立して移転する場合(新設分割)と、他社に譲渡して対価として株式を譲り受ける場合(吸収分割)に分類できます。
また、譲渡対価を分割会社の株主が受け取る場合(人的分割・分割型会社分割)と分割会社が受け取る場合(物的分割・分社型会社分割)に分類することもできます。会社法では人的分割を認めていませんので、一旦分割会社が受け取って、株主に剰余金の配当として渡すことになります。







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