法人の債務整理(5)

2024年8月25日

特別清算

 株式会社を対象とする清算型の倒産手続きです。清算するには、まず株式会社を解散しなければなりません。解散は株主総会の特別決議(3分の2以上)が必要となります。清算株式会社に債務超過の疑いがあるときは、清算人は、特別清算開始の申立てをしなければなりません。根拠法は会社法です。

 また、裁判所は、清算株式会社に清算の遂行に著しい支障を来すべき事情がある場合や、債務超過(清算会社の財産がその債務を完済するのに足りない状態)の疑いがある場合には、当該清算株式会社に対して特別清算の開始を命じます。

 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社の清算は、裁判所の監督に属し、清算株式会社が事業の全部の譲渡あるいは重要な一部の譲渡をするには、裁判所の許可を得なければなりません。

 債権者数が少ない場合に適した手続きといえます。

破産

 株式会社に限定されず、個人・法人に広く適用される清算型の倒産手続きです。会社再建を断念した場合の最終手段といえます。支払い不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続きを定めること等により、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とします。根拠法は破産法です。

 法人の破産手続きを申立てできるのは、

・一般社団法人又は一般財団法人: 理事または清算人

・株式会社又は相互会社: 取締役または清算人

・合名会社、合資会社又は合同会社: 業務を執行する社員または清算人

 上記以外の法人にも準用されます。

 法人破産の場合、設備・機材などがあるでしょうし、全く財産がないということはないので、原則として管財事件となり、裁判所より破産管財人が選任されます。破産手続開始の申立てをするときは、申立人は、破産手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければなりません。この予納金は申立人から破産管財人に引継がれますので、引継予納金といわれています。

 引継予納金は、弁護士代理による破産申立ての場合は、申立て以前に弁護士により調査・整理がされているとして低額になります。本人申立てや債権者申立ての場合は高額になるようです。この引継予納金額は、債務総額や債権者数、予想される管財業務の内容、財団形成の見込みなどを勘案し、事案の内容に応じて裁判官が個別に判断することになるのですが、法人の通常管財事件では最低50万円は必要でしょう。

 通常管財事件の場合は、引継予納金も高額となり、また申立てから免責許可決定まで期間も3〜5年かかります。

 特に高額の財産がない場合には、破産法の規定にはありませんが、各裁判所で少額管財事件として扱われ、引継予納金も20万円、期間も同時廃止ほどではないですが、かなり短くて済みます。

 また、法人代表者が連帯保証人となっている場合、法人破産と同時に個人の自己破産の申立てをする場合には引継予納金も関連事件として2件分よりも少なくて済む場合もあります。

「破産事件の手続費用一覧」(東京地裁)

「自己破産の申立てをされる方のために」(最高裁判所)