タワーマンション取得のコンサルタント(4)
日本銀行の金融政策の枠組み見直しの影響

令和6年3月19日、日本銀行は金融政策の枠組みの見直しを発表しました。その特徴は、
① マイナス金利からプラス金利へ
② 当面、緩和的な金融環境の維持
③ 短期金利の操作を主たる政策手段とし、0〜0.1%程度で推移するよう促す
④ これまでと概ね同程度の金額で長期国債の買入れを継続
⑤ ETFとJリートの新規買入れを終了する

新たな政策が不動産に及ぼす影響
① 住宅ローン金利の上昇
② 家賃の上昇
③ ETF価格、Jリート価格の下落
などが考えられます。
住宅ローン金利の上昇
ⅰ)変動金利は短期プライムレートを基準とする
短期プライムレートとは銀行が企業に貸し出す最優遇金利のうち期限1年以内の短期貸出金利のことを言います。2024年6月現在、短期プライムレートは2009年1月から最頻値1.475%で15年間変化ありません。最頻値は都市銀行(みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行)が自主的に決定した金利のうち、最も多くの数の銀行が採用した金利のことです。
日本銀行は短期金利を0~0.1%程度で推移するよう促すと発表しています。実際のところ、住宅ローンを組む住宅購入者は変動金利の基準金利2.475%から各々の年齢・勤務先と勤続年数、年収、負債などの条件により適用金利が金融機関により決められています。
最優遇を受ける購入者の場合、0.3%台の金利で住宅資金を借り入れています。
当面の日本銀行の方針発表に伴い想定される各金融機関の対応ですが、基準金利は当面2.475%に据え置き、適用金利の金利優遇幅を小さくする(例:適用金利0.3%→0.5%)ことで他行の様子見をすることが考えられます。
「短期金利住宅ローンの金利は、経済情勢などに応じて通常半年ごとに見直されます。一方、元利均等返済の返済額の見直しは、通常5年毎です。」(全国銀行協会)
つまり、変動金利の毎月返済額は5年間一定であり、その間に急激な金利上昇や下降があれば返済額が見直されるというわけです。しかし限度なしに返済額が上昇すると返済できなくなりますので、「125%ルール」が定められており、見直しされても現在の返済額の125%以内の変動が限度とされています。(将来的に未払利息が発生し、返済期間が延長される危険性があります。)
したがって金融政策の枠組みの見直しが変動金利にすぐに大きな金利上昇を生むことはないでしょう。
ⅱ)固定金利は長期金利(10年国債の利回り)を基準とする
2024年7月20日現在、日本国債10年の利回りは1.035%で3月に比べ上昇しています。
変動金利に比べて金利の上昇がしやすいといえます。固定金利の上昇に遅れて変動金利が動くと思われます。
イオン銀行では変動金利0.38%、固定金利(10年)1.50%とそもそも固定金利の方が1%程度金利が高いです。これは他行も同様です。その上マイナス金利政策撤廃の影響は固定金利の方が早く反応するわけですので、現状住宅ローンでは変動金利でできるだけ優遇を受けてローンを組むのがお得です。
家賃の上昇
日本銀行は、2013年1月に、「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、これをできるだけ早期に実現することを目標にしています。(日本銀行サイトより)
これに沿った金融政策の枠組みの見直しですので、家賃の急激な上昇は考えにくいでしょう。
借地借家法第32条第1項では一定の期間借賃を増額しない旨の特約がない限り「当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することできる。」としています。
そして第2項では「建物の借賃の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃を支払うことをもって足りる。」と賃借人に有利な規定もあるのです。
ETF価格、Jリート価格の下落
日本銀行によるETF、Jリートの買入れは、ETFやJリート価格下落を抑制する効果があり、買入れ廃止により両価格の下落が予想されます。






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